【完】イケメン生徒会長は俺様!?
「お坊ちゃま、しっかりしてください」



白木は力強くそう言った



「……え?」



「お坊ちゃまはこの学校生徒会長なんですよ。それに……今日は卒業式なんですから。生徒会長がそんなに弱気になってたら、みんなモヤモヤした気持ちで卒業することになりますよ」



白木は俺の方に振り返って言った。



「……うん」



そうだよな…。



俺はこの学校の生徒会長で、今日はもう卒業だ。



生徒会長である俺が、こんなことで弱気になってたら白木もきっといい気持ちにはならないもんな…。



気持ち引き締めて行かなきゃ。



最後くらい、笑顔でお別れしたいから。



「じゃあ……行ってください」



「おーっ……今までありがとな」



「いえ」



「……元気でな」



「はい。お坊ちゃまも、お嬢様たちと幸せになってください」



白木はそう言ってニコッと笑った。



「ああ……白木もな」



「はい」



「体には気を付けろよ」



「はい」



「……たまには、電話しろよな」



「はい」



「元気でな。頑張れよ」



「はい」



「じゃあ行ってきます」



「行ってらっしゃいませ」



そして車を降りた後、見えなくなるまで白木を見送った。



「じゃあな……白木」



俺は小さく呟き、学校の中へと入った。



この学校に通うのも、今日がほんとに最後だ。



一歩一歩、踏み締めて廊下を歩いた。



この学校とも……もうお別れだな。



6年間通ってきたこの学校とも……最後だから笑ってお別れしたい。



俺はそのまま教室に入った。



「おはよ流二」



教室に入ると、啓悟が話し掛けてきた。



「ああ。おはよう」



俺は一言だけ言って教室に入った。



「いよいよ卒業だな」



「ああ」



「……なぁ、マジでやるのか?」



啓悟が不思議そうに聞いてきた。



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