【完】イケメン生徒会長は俺様!?
「流二……大丈夫だよ」



美綺が俺に優しく呟いてくれた。



「……え?」



「流二はもう、一人じゃないよ」



「…………」



「流二には……あたしたちが居るから」



美綺の目からも、一筋の涙が流れ落ちた。



「……うん」



「大丈夫だよ。流二は、あたしが守ってあげる」



「…………」



「ずっとずっと……守ってあげるから。死ぬまでずっと、一緒に居るよ」



美綺は俺の頭を撫でながらそう言った。



まるで、子どもをあやすかのような口調で……。



俺は美綺の腕の中で、静かに頷いた。



今日だけ……。



今日だけなら……美綺に甘えてもいいよな?



最初で最後にするから。



「美綺…」



「ん?」



「今日だけ、甘えていいか?」



「……うん。いつでも甘えてくれていいよ」



美綺はそう言ってフワリと笑った。



「サンキューッ」



「うん」



美綺はずっと俺の頭を撫で続けていた。



優しく、優しく。



「……もう少し、こうしてて」



俺は小さく呟いた。



「うん。いいよ」



美綺は俺をギュッと抱き締めた。



「なぁ…」



「ん?」



美綺は俺をジッと見つめた。



「俺……ちゃんと親孝行出来てるかな?」



ずっと気になってたことだった。



「……どうだろうね」



美綺は小さく答えた。



「でも、ちゃんと出来てると思うよ?親孝行」



美綺は更に言葉を続けた



「……そうかな?」



「うん。少なくともあたしは、そう思うよ」



美綺はそう言って小さく笑った。



「……ありがとう」



「うん」



なんか母親みてぇ。……だけど、すごく温かい。



美綺の優しさと温もりを感じる。



美綺の言葉はきっと、俺にとって一番の温もりなのかもしれない。



< 659 / 698 >

この作品をシェア

pagetop