【完】イケメン生徒会長は俺様!?
「美綺、メイドがおかゆ作ってくれたから食え」



そう言ってテーブルに土鍋を置いた。



「いらない…」



「でも、ちょっとでも食べておいた方がいいぞ」



「……食欲、ないの」



俺の問い掛けに、美綺は小さく答えた。



「そっか」



「うん…」



「じゃあここに置いとくから、食べられる時になったら食べろよ」



「うん…」



俺がそう言うと、美綺は静かに頷いた。



「よく寝てろな」



俺は美綺の頭を撫でると、そのまま部屋を出た。



「……はぁ」



部屋を出て深いため息を零した。



なんだかなぁ…。



ここ何日、美綺はまともに食事をしていない。



多分、つわりがひどいんだと思うんだけど…。



"食べろ"とは言ってるものの、現状はろくに食べていない。



そのせいか、少しやつれたように感じる。



つわりがひどいせいか、もう美紅の子育てすら出来ない状態に近い。



「……女って、ほんとに大変なんだな」



男じゃ完全にムリだな。



はぁ……女じゃなくてよかった。



でも今さらなんだけど、なんか妊娠させなきゃよかったとか思った。



……もう遅いけど。



しかし美綺が体調悪いとなると、式の予定とか決めらんねーじゃん。



俺たちもうすぐ結婚式挙げるのに。



このままじゃ式を延期することになるぞ。



結婚式は、俺たちが出会った日の4月6日にやることになった。



俺たちがこの日を選んだのには、ある理由がある



一つ目。



一つ目は、この日は俺たちが出会った"運命の日"だから。



もしこの日美綺に出会わなかったら、俺たちは今きっとここには居なかった。



こうやって付き合うことも、結婚することも、子どもが出来たことも。



きっとなかったと思う。



だから俺たちが出会えたのはきっと、"運命"だ。



俺たちは出会う前からきっと、赤い糸で結ばれていたのかもしれない。


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