【完】イケメン生徒会長は俺様!?
毎日、拓哉のことを憎んだ



なんであんなことしたんだって、問い詰めたかった



なんでなにも言わずにあたしの側から離れて行ったんだって、問い詰めたかった。



……本当のことを、話して欲しかった。



あたしのことが嫌いになったんなら、それでいい。



だけど……あたしから離れて行った理由(わけ)を教えて欲しかった。



そうすればあたしも、ちょっとは気持ちの整理が出来たんじゃないかって思ったから。



……でも拓哉は、なにも言わなかった。



理由も話してくれなくて、あたしに対しての態度も冷たかった。



だから分かっちゃったの。



拓哉は、あたしを捨てたんだって。



あたしは……拓哉に見捨てられたんだって。



考えたくなかったけど、自然と頭の中はそーゆう考えで埋め尽くされていた。



子どもが産めない体になったって言われた時、真っ先に頭の中に浮かんだのは、拓哉の顔だった。



それからあたしの人生は毎日どん底で……どうしたらいいのか分からない中で、あたしはあたしなりに必死で生きてきた。



誰からも頼らずに、自分の力だけでこうやって生活してきた。



結婚しても子どもが産ない体になったあたしは、お母さんみたいになれないんだっていつも思ってた。



……小さい頃の夢だった。


好きな人と結婚して、好きな人の子どもを産んで幸せな家庭を持つことが。



子どもが産まれたら、お母さんみたいな優しい母親になりたい。



ずっとそう思ってた。



でもあたしには、もうそんな幸せな家庭を築くことは出来ない。



……そう思ったら、悲しくて悲しくて仕方なかった。



あたしは子どもが産めないんだ。



ただそのことばっかりが頭をよぎって、泣きたくなった。



あたしの人生はサイアクなんだ。



そう思うと、拓哉が憎くて憎くて仕方なかった。



あたしの人生をめちゃめちゃにされた挙句、また新しい女に手を出して。



そんな呑気な生活をしてる拓哉が、すごく腹立たしかった。



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