【完】イケメン生徒会長は俺様!?
実際俺も、体だけで繋がっていればいいって思ってた。



体だけの関係でも、温もりがある。



……勝手にそう思い込んでいた。



でも今の美綺を言葉を聞いていたら、そんなことを思っていた自分がバカバカしく思えた。



「俺……なに考えてたんだろ」



俺はサイテーだ。



「ありがとう。……拓哉も頑張ってね」



会話はそこで途切れた。



「……はぁ」



俺はため息を付くと、自分の部屋に戻った。



美紅の寝顔をジィーッと見つめる。



コンコンッ



すると、扉の向こうから美綺の声が聞こえてきた。



「流二、居る?」



「ああ」



「入るね」



美綺は部屋に入ってきた。



「どうした?」



俺は美綺に視線を向けた。



「ううん。どうしてるのかなって思って」



美綺はそう言うと、フワリと笑った。



「さっき、ちょうど美紅を寝かし付けた所だ」



俺はそう言うと、ベッドから起き上がった。



「みたいだね。……ありがとう」



美綺は俺の隣りに座った。



「……気にすんな」



これも父親の仕事の一つだからな。



「流二、なんかもうすっかりパパだね」



美綺は美紅の頭を撫でながらそう言った。



「え?」



「なんかすっかり見違えちゃうね。"パパ"として流二は」



美綺は俺に視線を向けると、そう言ってニコッと笑った。



「……そ、そうか?」



「うん。パパとしての流二もカッコいいよ。なんかますます惚れ直しちゃうかも」



美綺はそう言うと、触れるくらいのキスをした。



“ちゅっ"と唇が離れた。



「愛してるよ。……あたしの愛しの旦那様?」



美綺は俺をジィーッと見つめた。



「フッ……もちろん俺も愛してるよ。世界中の誰よりも」



俺はそう言うと、美綺を抱き締めた。



「うん」



そしてもう一度、深いキスを交わした。



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