【完】イケメン生徒会長は俺様!?
「ねー流二…」



「ん?」



あたしはそっと流二の名前を呼んだ。



「もうすぐだね。……結婚式」



あたしは流二の腕の中で小さく呟いた。



「ああ……そうだな」



流二はあたしを抱き締めたまま、ずっと天井の方を向いてる。



「……どうしたの?」



あたしは流二をジッと見つめた。



「え?」



「なんか……ずっと上の空だから」



そんな顔されると、あたしまで悲しくなっちゃうよ。



「ん?……なんかこうやって恋人で居られるのも、後少しなんだなぁと思ってさ」



流二はそう言うと、あたしの頭を優しく撫でた。



「……うん。そうだね」



「結婚しちゃったら、俺たちはもう"恋人"じゃなくて"夫婦"になるんだな」



流二は天井をジィーッと見つめながらそう言った。



「うん……そうだね」



流二と"恋人"で居られるのも、後少しなんだぁ。


結婚したら、あたしたちはもう"恋人"じゃなくなっちゃうし。



「なんか……結婚するって実感全然ないよな」



「うん。……確かにね」



あたしも天井の方を向いた。



この3年間、あたしたちはずーっと一緒に居たけど、なんか結婚するってイメージは全然持ってなかった。



あたしたちはもう子どもが居るから、結婚してもおかしくはないけど……まさか本当に結婚するなんて思っても居なかったなぁ…。



でも、あたしは流二と一緒に居られて幸せだ。



"美紅"という素敵な宝物が居て、"流二"という素敵な旦那様が居るから。



これからはもう一人じゃないし、お互いに助け合って生活出来るようになりたい。



これから先なにがあっても、あたしは絶対に流二を信じるよ。



だからこれからもずっと一緒に居ようね。



何年先も、何十年先も。



「結婚しても、俺たちは俺たちらしくやろうな」



流二はあたしに視線を向けてそう言うと、ニコッと笑った。



「うん。あたしなにがあっても流二の側から離れないからね」


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