【完】イケメン生徒会長は俺様!?
「なぁ、美綺?」



「なに?」



「これから家族がもうひとり増えるから、ますます幸せになるな」



「そうだね。これからもずっと幸せだよね」



「ああ、幸せだ。これからもずっとな?」



「うん」



流二とあたしと美紅、そして新しい子どもと4人でますます幸せになる。



「ねぇ、流二?」



「ん?」



流二があたしのほうをチラッと見る。



「次産まれてくる子は、男の子だといいね」



「そうだな。今度こそな」



「男の子だったら、流二に似て美男子になるのかなぁ?」



「さぁなぁ。なるといいけどな」



「きっとなるよ。流二みたいに優しくて温かくて、カッコよくて思いやりのある子にきっとなると思うよ?」



「まぁ俺の子だからな」



「でも流二みたいに俺様にはなってほしくないなぁ」



「あ?」



「だって俺様になったら流二みたいになっちゃうもん」



「はっ?なんだそれ。俺の子なんだから、俺に似るのは当たり前だろ」



「ええっ」



「なんだよ」



「ううん。別に?たださ」



「ん?」



「この子は、流二みたいに寂しい人になってほしくない」



「え?」



「流二みたいに愛を知らずに生きてきた人にはなってほしくない。……だから寂しい思いさせないように一生懸命育てる」



「……そうだな。コイツらは、俺たちが一生懸命育てよう。寂しい思いさせないように」



「うん」



あたしと流二がいればきっと大丈夫だって信じてる。



きっといい子たちに育ってくれるよ。



だってあたしたちの子だもん。



幸せにならないわけがないよ。



そのために、あたしたちが一生懸命育ててみせる。



大事な大事な、"家族"のために。



いつかきっと"ありがとう"って言ってもらえるように頑張ってみせるよ、あたし。
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