distortion
なんかさっきからフワフワしてて気持ち良い感じ。ずっとこのままでいたい気分かも。

膝枕されてるっぽいし。

ん?


膝枕………………。

おまけに髪を撫でられてる?


(え?マジ!)

嫌な予感がして俺は目覚めた。

寝ている俺の顔の上には武蔵のうっとりした顔があった。


「お前何してんの?」


「いや…はは、真輝さんおはようございます」


「何がおはようだ!馬鹿」


思わず手を伸ばして武蔵の頬を軽くつねってみる。


「いたた…そんなに怒るなよぉ…冗談だって」


「膝枕するなら女にでもしてやれっ!」

ったく、油断も隙もありゃしない。

この間も家に泊まった時、コイツは勝手に俺が寝てた布団に潜り込んできたばかりだ!
朝目覚めたら武蔵が俺に抱き付くようにしているんだもん。

頬をつねられた武蔵はしゅんとしてうなだれている。
俺も俺でまだ武蔵の膝の上に頭のっけたままだけど。


「バーカ、怒ってねえよ…」


「マジ?怒ってない?」


「疲れて寝たこっちも悪かったし……親切でやってくれたんだろ?」


「いやぁ、真輝さんの寝顔が可愛いもんでつい」



(まーた、コイツはどうしようもねぇな)


「よし!武蔵、カラオケでもするか」


「練習は?」


「明日でいいよ」


「じゃあ、俺から歌っていい?」


「いいよ」


ちょうどタイミング良くオーダーした食べ物も運ばれてきた。


ピザ2枚
唐揚げ
パスタ


コイツ、こんなに食うの?!

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