distortion
「えっと、後藤さんですよね。事務所移籍してきた濱崎といいます」
誰かに言われたのかはわからなかったけど、人なつっこい目で自ら自己紹介してきた。
「あ、よろしく。後藤です」
それから何となく薫ちゃんと一緒にいる機会が何回かあるうちに
俺は本気になりかけた。
世の中の男が自然に女の子を好きになるように、俺もまた自然に薫ちゃんを好きになった。
でも深追いはしないつもりだった。
薫ちゃんには既に好きな奴がいたから。
そう、相方の福ちゃん。
でも薫ちゃんを俺だけの薫ちゃんにしたい。
1人じめしたい。
まるで玩具を欲しがる子供のような感情。
でも、そんな俺の子供みたいな馬鹿な感情に薫ちゃんは付き合ってくれている。
俺は決して「愛してる」と言わないのに。
「薫ちゃん。俺と福ちゃんどっちが良いの?」
薫ちゃんから取り上げた携帯電話を見ながら問いかける。
中には福ちゃんとの思い出の写真がぎっしりと詰まっていた。
俺が入る隙間なんてない位に。
「そんな…比べられないよ。2人共好きだし」
「でも、俺の事すごく好きだよね?」
わざと困らせる。
そうすると薫ちゃんはすぐに泣きそうな微妙な表情をする。
「……うん。好き」
俺にすがるすようにぎゅっと抱きしめてくる。
「俺も薫ちゃんの事好きだよ」
そう言ってまた薫ちゃんの身体をもて弄ぶ。
「ねぇ、たまには名前で呼んでよ」
「えっ!名前って…」
「いいから、真輝って呼んでよ」
薫ちゃんはこれ以上ない真っ赤になった顔で応えてくれた。
「ま……真輝」
誰かに言われたのかはわからなかったけど、人なつっこい目で自ら自己紹介してきた。
「あ、よろしく。後藤です」
それから何となく薫ちゃんと一緒にいる機会が何回かあるうちに
俺は本気になりかけた。
世の中の男が自然に女の子を好きになるように、俺もまた自然に薫ちゃんを好きになった。
でも深追いはしないつもりだった。
薫ちゃんには既に好きな奴がいたから。
そう、相方の福ちゃん。
でも薫ちゃんを俺だけの薫ちゃんにしたい。
1人じめしたい。
まるで玩具を欲しがる子供のような感情。
でも、そんな俺の子供みたいな馬鹿な感情に薫ちゃんは付き合ってくれている。
俺は決して「愛してる」と言わないのに。
「薫ちゃん。俺と福ちゃんどっちが良いの?」
薫ちゃんから取り上げた携帯電話を見ながら問いかける。
中には福ちゃんとの思い出の写真がぎっしりと詰まっていた。
俺が入る隙間なんてない位に。
「そんな…比べられないよ。2人共好きだし」
「でも、俺の事すごく好きだよね?」
わざと困らせる。
そうすると薫ちゃんはすぐに泣きそうな微妙な表情をする。
「……うん。好き」
俺にすがるすようにぎゅっと抱きしめてくる。
「俺も薫ちゃんの事好きだよ」
そう言ってまた薫ちゃんの身体をもて弄ぶ。
「ねぇ、たまには名前で呼んでよ」
「えっ!名前って…」
「いいから、真輝って呼んでよ」
薫ちゃんはこれ以上ない真っ赤になった顔で応えてくれた。
「ま……真輝」