distortion

歪んだ独占欲

「まーくん、まーくんったら」



僕のまーくん…。

なんでこんなに僕を夢中にさせるの?


君の笑顔も怒った顔も困った仕草もね

全部大好きだよ。


知ってる?
僕の視線はいつもまーくんだけに注がれてる事。


こっそり地方にも追っかけてる事知らないでしょ?

そりゃそうだよ。
でもまーくんにいつどこで変な虫がつかないかハラハラしてるんだもの。



変な害虫は素早く殺してやらないと。

早めの駆除、対策が必要でしょ?



だからその辺りは全部僕に任せてよ。


ああ…畜生!
武蔵も薫ちゃんも邪魔だな。


まーくんは僕だけのもんだよ。





みんなのまーくんじゃないんだよ。
わかってる??




わからないなら徹底的に教えてやる。








「満、今日早いじゃんか」


今日のまーくんの服装はピンクの半袖に黒のボトム。

それに、僕とお揃いで買ったパーカーを羽織ってる。

無造作にかけてるメガネも素敵だよ。



「まーくん、おはよ。」



事務所ライブの為のオーディション当日の朝。

誰もいないスタジオで僕はまーくんの腕に絡みついた。



ほのかににおう香水。

これは僕のあげたやつだね。

良かった。


まーくんに何個もプレゼントしたかいがある。



「おい、そんなにひっつくなよ」


「嫌。まーくん薫ちゃんにいつも優しいんだもん。今日は僕だけ甘えさせてよ」


「薫ちゃんはそんなんじゃないって…」


顔が微妙に歪んだ。 まーくんがごまかす時の癖。

薫ちゃん
薫ちゃん


薫薫薫薫薫薫薫!!



駆除だな



「嘘、僕見たんだよ。この間、楽屋の隅で薫ちゃんとキスしてるの。」


「キス…ねぇ」


< 39 / 49 >

この作品をシェア

pagetop