distortion
ふふっ…准一の目が怖いよ。
薫ちゃんとまーくんは仲良くDSで遊んでるものね。



「あっ、出た出た」

「あはは!!全然似てないって!」


「マジ?薫ちゃん変な顔するからだろ」

「えー?そんなに変な顔してたかな」



嫌だよね。薫ちゃんがまーくんに寄りそって。
まるで男女カップルみたいにイチャイチャしやがって!!


武蔵だって眠そうな顔してるけど、本当はこの空気が嫌なんだろ?


じゃあ、率先して壊してあげるよ。
だからちょっと待っててね。




「ねぇ、薫ちゃん何やってんの?」


「あ、満おはよ」


「おはよじゃなくて、何してんの~?」

ちらりとまーくんの方を見ると困ったような微妙な表情をしてるんだけど、あえて止めないんだね。
じゃあ、お言葉に甘えて薫ちゃんとの時間は終了させるからね。



「ああ、DSじゃん!僕にも貸してよ」


「うん…」



取り上げたDSは薫ちゃんとまーくんがふざけて撮影した写真がそのままになってた。 見るのも嫌だったから消したよ。



「あれっ…おかしいな?あっ!やばい~」


「どうしたの」


薫ちゃんが声をかける。
僕は嬉しそうに言う。


「ごめんね。操作慣れなくてさっき撮ってた写真消しちゃったみたい」


「あ、いいよ…。大丈夫」


肩をすくめて悲しそうに言う薫ちゃん。

そんな君の悲しい顔嫌いじゃないかも。

「まーくん、一緒に写真撮ろうよ」


「はぁ、面倒くさいな~」


そんな事言いながらもまーくんは僕の期待に応えてくれる。 だから大好きなんだよ。



まーくん、まーくん、まーくん……。


まーくんに抱かれたい。
まーくんを独占したい。
まーくんは誰にも優しくしないで。


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