distortion
高校を卒業したのは良かったが、部活にバイトに明け暮れてた俺には入れる大学はなかった。

親は浪人は許さなかったから仕方なく無試験で入学出来る通信大学を選んだ訳で…。


親は学費以外は援助しないから全て自分で生活費や食費も稼がないと実家にいながら食いっぱぐれだ。


(あーあ、いいよな。お気楽学生アーティストさんはよ)


どんな奴だろ?


生意気だったら
絶対に殴ってやる。
うん、決めたぞ。












「おはようございます」


夕方、昨日の事務所に15分前に到着した。
早く武蔵って奴を見たかったから。


(ん?どこにいるの?)


キョロキョロ辺りを見回したが武蔵らしき人物は見当たらない。


「あの…武蔵さんは…今日から採用されたんで…すけどぉ」

受付にいた昨日の無愛想な女に話しかけた。


「武蔵なら遅刻常習犯だから気長に待ってた方がいいよ?まぁ、オーディションはさすがにブッチしないから大丈夫だし」



武蔵の事はよくわかりきってるみたいな口調。


「あ、はい。えっと…お名前…は」


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