猫耳ぱにっく!
「大丈夫よ、ねぇ貴方。」


ママは普段から寡黙なパパに同意を求めた。


「・・・あぁ。」


パパはいつものようにぼそっと答える。


うちのパパは普段からあまりしゃべらない。


夫婦の会話を聞いている限り、ほどんどママがしゃべっているし。


ママ曰く、パパは寡黙で口数が少なく、よくクールな人だと思われがちだけど、本当は甘いものが大好きで、小さなことでも自慢してくるような、子供心を忘れていない人、らしい。


ってそんなことはどうでもよくて。


「ほら、パパも大丈夫って言ってるし、なんとかなるわ。
あっ!
もう家出る時間じゃない?」


そういってママはリビングにある時計を指差す。

< 12 / 57 >

この作品をシェア

pagetop