まだ先生じゃない
だけど。。
そんな私に中本先生、いや和人は積極的に話しかけてきた。。
中本先生が教育実習に来てから三日目…
私のクラスで財布がなくなる事件が起きた。
真っ先に疑われたのは私だった。
「こんな汚い事をするのは鈴華しかいない。」
「あの子はお金と男の為ならなんだってする」
クラスメイトがそんな話をするなか、中本先生は一番に私を庇ってくれた。
『藤谷がとったっていう証拠でもあるのか?
じゃないなら憶測でものをいっちゃダメだ』
その時、私は余計なお世話だと思った。
「先生。。
疑われるのには慣れてるよ…
だから同情なんてしないで!
庇われるのなんか、まっぴらごめんなんだから」
先生はその時。。
表情ひとつかえずに言った。
『お前が慣れてても、俺は目の前で生徒が犯人扱いをされるのを見慣れてはないから。
先生は生徒からの信頼に応える必要があるんだ…
それを学ぶための教育実習なんだから』