まだ先生じゃない



だけど。。


そんな私に中本先生、いや和人は積極的に話しかけてきた。。



中本先生が教育実習に来てから三日目…



私のクラスで財布がなくなる事件が起きた。



真っ先に疑われたのは私だった。


「こんな汚い事をするのは鈴華しかいない。」



「あの子はお金と男の為ならなんだってする」




クラスメイトがそんな話をするなか、中本先生は一番に私を庇ってくれた。




『藤谷がとったっていう証拠でもあるのか?

じゃないなら憶測でものをいっちゃダメだ』






その時、私は余計なお世話だと思った。



「先生。。

疑われるのには慣れてるよ…



だから同情なんてしないで!


庇われるのなんか、まっぴらごめんなんだから」




先生はその時。。


表情ひとつかえずに言った。


『お前が慣れてても、俺は目の前で生徒が犯人扱いをされるのを見慣れてはないから。


先生は生徒からの信頼に応える必要があるんだ…
それを学ぶための教育実習なんだから』
< 4 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop