幸せそうな微笑み
「聡!」


「…紗恵…?」


「話があるの。来て」


腕を掴まれ引っ張られた。


抵抗する気なんてまったくないけど。





「優羽に何もしてないでしょうね?」


いきなり突っかかるような言葉。


「してねえよ。
和泉のピアノを聴かせてもらってるだけだ。
良家の嗜なのかすっげぇ上手いから」


「それだけ?」


頷くがまだ怪しんでいるらしい。


「優羽を狙ってるって話は?」


「そんなことどーでも良い。
ただピアノが聴きたいだけだ」


「なら…良いけど。
優羽傷つけたら許さないわよ?」


今度は信じてくれたらしい、
表情が柔らかくなった。
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