幸せそうな微笑み

噂の背景

そんな幸せを感じている時――。




「どうして会ってくれないの?」



希美から電話があった。


着信時に名前が出るのは楽だな、ほんと。





話の内容はどうして会ってくれないのか。


どうしてデートをしてくれないのか。


どうして電話をくれないのか。




「そーゆうのって付き合ってる同士が
やるもんだろ」


「…聡…」


「俺希美と付き合ってるつもりねえんだけど」


「聡、ひど…」


「俺が酷いというのなら他の男と付き合え。
男なんていくらでもいるだろ?じゃあな」





彼女が黙り込んでしまったので通話を終えた。



付き合うのもアリかなとは思い初めて来たが
希美とは付き合う気がこれっぽっちもない。
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