幸せそうな微笑み
「俺は祖父母を一人も知らない。
生きてるのか死んでるのか…。
それすらさ、分からないんだ」


「…離れて淋しかった?」


「和泉?」


「よしよし」


和泉の手が俺の頭を撫でる。


ガキ扱いされてるようで、嫌だったが
和泉の顔が優しくて…。


包み込まれてる?そんな感じがする。


俺はどうやら母親へ望んでいたものを
和泉に求めているらしい。


だからこんなにも、心が安らぐ。





「…昼休み誘おうと思ってたんだ」


「今日の昼休み?」


「ん、用あるか?」


「大丈夫、じゃあ昼休み音楽室で、ね?」


「ああ」
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