幸せそうな微笑み
「…」


何も、言葉がでなかった。



凄い、とも。綺麗、とも。



準備室の中は隣の音楽室から流れてくる
ピアノの音で溢れていた。


この曲は――。この音は――。



何度も何度も耳にした、旋律。




そっとドアについてる窓から覗いてみた。




微笑みを浮かべピアノを弾いている
その姿はとても優しく、あたたかく
――綺麗だと思った。


音がやむと俺は準備室と
音楽室を繋ぐドアを開けた。
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