その…好きだ…
 
 
俺は彼女の目を見つめ
真っ直ぐ真っ直ぐと言った
 
女「もう少し…早く言えって…//」
 
彼女は少し悲しそうに
でも…微かに頬を赤めて
俺に返事をした。
 
 
いつの時代か
どこかの世界の話
 
日本は戦火に覆われていた。
 
 
俺「おい!…早く!」
 
俺は街中を無我夢中で走っていた
助からないのは
知っていた
 
だが…あまりにも
理不尽だ…だから
 
少しでも長く
少しでも安全な場所に俺は彼女と走った
 
女「ここは…」
 
俺「…結局ここか…」 
二人がついた場所は 
それは
二人が子供の頃
出会った
 
あの日から
俺は彼女が好きだった
 
結局
自分の気持ちは
伝えられず
 
今になって
愛おしくて
恋しくて
 
一息つき俺は
言った
 
俺「その…好きだ」  
女「もう少し…早く言えって…//」
 
彼女は
冗談まじりに
少し悲しいそうに
そして少し頬を赤らめて言った
 
俺「うん…ごめん」
 
知らず知らずに
俺の頬から涙が
流れる
 
彼女はそんな
俺を抱き締めて
こういった
 
女「バカ…泣くなよ
お前は昔から泣き虫だな…ちっとも変わってない…」
 
彼女の頬にも涙が
見える
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