シャボン玉 *eternal love*



唯一、俺の気持ちを話していた泉にも本当のことは言えなかった。



「は? 花ちゃんのこと好きになった? あんなに心ちゃんのこと好きだったのに?」


「……うん。俺が心ちゃんのこと好きだったことは誰にも言わないで」



泉はため息をついて窓際の壁にもたれかかった。



「言わねーけど。花ちゃんには輝がいたんじゃねーの?」



――あ……そうだ。



「……ただの友達だって」



花ちゃんとグルになって嫌がらせをしていた輝だけは、花ちゃんと俺の付き合いが偽りだってことを知っているんだ。



できるだけ真実を知らない人間が少ないほうがいい。万が一、彼女の耳に真実が伝わったら……




だから信用している泉にも嘘をついたんだ。






< 108 / 269 >

この作品をシェア

pagetop