シャボン玉 *eternal love*



それは本当の花ちゃんの気持ちを知らないからだよ。



親の心、子知らずとはよく言ったもんだよ。逆もあるんだよ。



家系のせいでどうしょうもないプレッシャーをかけられて、頑張りすぎている花ちゃんをこの家族は誰も知らないんだ。



帰り道。輝の乗るバス停のベンチに座っているとポツポツと小雨が降ってきた。



「花……変なこと考えないよな?」


「え?」


「怖いんだよ。リスカまでしてるし、きっと今一番不安定だと思う。扉を打ち壊してでも入ればよかった」


「……うん。また……行ってみよう」




不気味なくらい真っ暗な空が嫌な予感をより一層漂わせていて



俺の気持ちも完全に落ちていた。






< 194 / 269 >

この作品をシェア

pagetop