シャボン玉 *eternal love*
(20)優しい嘘は
輝を見送った後、小雨が降る中、ゆっくりと歩きだした。
彼女は毎日、花ちゃんの家に行ってたのかな。そして毎回会ってもらえなかったのかな。
普通、逆だろ?どこまでも彼女の優しさと思いやりが俺の『好き』という感情が薄れていかない。
忘れたい
忘れたくない
どっちが自分の気持ちなのかよく分からないんだ。
ただ……会いたい
話したい
それだけで――……
ボーと小雨の中を歩いていると真っ赤な傘が俺の頭上に咲いた。
目の前には小柄な女性。
「あ……」