シャボン玉 *eternal love*
『家まで迎えに行って会場に着いたら、逃げるように人混みの中に走っていって見失った。携帯も繋がらないし……』
「……分かった。市内の花火大会だよな? すぐ行く」
怒鳴り付けてやりたい心境だったけど今はグッと我慢した。
心が不安定な人に気晴らしにどこか出かけようと誘うのは逆効果だってお父さんに聞いていたからだ。
輝は何も知らないで良かれと思って誘ったんだろうけど……
神社にはさっきよりも人が増えていたけど、彼女の姿はやっぱり見当たらなくて
この場から離れたくない想いを噛み締めながら今は花ちゃんの安否が心配で走って石畳の階段をかけ降りた。