シャボン玉 *eternal love*
「愛斗じゃん。どうしたんだよ?」
浴衣姿の彼女と……陽――。
ああ……
やっぱり彼女は……俺じゃなくて陽を……
「花……顔色悪いよ? 大丈夫?」
彼女は青白い顔の花ちゃんに手を差し伸べてきたけど、パチンと振り払った。
「触らないでっ! 私を見ないで! 消えてよ!」
すごい剣幕で叫びだす花ちゃんの力は尋常じゃなくて、押さえるのがやっとだった。
「何だよ!? 心は心配してやってるのにその態度はよぉ」
「陽、いいから! ……行こう」
花ちゃんの態度にキレる陽のTシャツの袖を掴んで、彼女は俺達をチラリと見て立ち去った。
俺はただ……二人の後ろ姿を見ていることしかできなかった。