シャボン玉 *eternal love*
(6)親公認
「車に乗って。君も」
「いえ、僕は走って帰りますから」
「なんで? 愛斗くんも乗って」
か、彼女の優しさは時に残酷だ。この状況はどう考えても男なら逃げ出したいって!
「遠慮しないで乗って。家まで送るから」
「……はい」
にっこり笑って言う彼女の父親の言葉に負けて……結局乗ってしまった。
助手席には心ちゃん。後部座席には俺。
それにしても若いなぁ……いくつなんだろ?しかも超イケメンだし。さすが彼女の父親だ。
「心ちゃんってお父さん似?」
「ううん。ママに瓜二つって言われる。買い物に行っても、姉妹に間違えられるんだよ」
ふーん……母親もかわいいんだ。その二人のDNAを受け継いでこんなに完成された美少女が生まれたんだ。
なんて分析している場合じゃない。さっきの行動を説明しろって言われたらどう言い訳しよう?
おっかね――……
やっぱり逃げ出したい。