シャボン玉 *eternal love*
「海って風も強いし、シャボン玉がよく飛ぶから好きなんだ」
「だからシーズン前なのに海に行きたいって言ったんだ?」
なるほどね。それにしても……会ったこともないお兄ちゃんの為にシャボン玉を飛ばし続けるなんてめちゃくちゃ純粋な子。
また惚れなおしちゃったよ。
「足だけ浸かってみようかな」
「波に気を付けてよ」
裸足になって、スカートを両手で持ちながら波打ち際に行く彼女。
言ってるそばから……
「きゃっ……!」
大きな波がやってきて咄嗟に彼女の腕を引き寄せた。
「危ない。だから言ったじゃん」
「……本当だ」
「え?」
「左手で私の腕ひいた! 愛斗くん本当に左利きなんだ?」
な、なんか嬉しそうだし。咄嗟な場合と無我夢中の時は利き腕が普通に出るもんじゃん。