夏の桜
 俺は今日も学校だ。
 授業中、ふと窓の外を見ると校門付近にハクの姿を見つけた。気付くかと思ってジッと見つめていると、ハクが俺に気付いた。俺は小さく手を振った。ハクははじけんばかりの笑顔で振り返してきた。
「……可愛いな……」
「誰が可愛いって?」
 小さく呟いたのだが、ちょうど先生が俺の横を通っていた時だった。
「えっ!?いや……先生が?なんつって……」
「そう。んじゃ、このページの英文、全部訳して」
「……はい」
 予習をしていなかった俺は、友達に聞きながら一ページ訳すのに二十分かかってしまった。
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