となりの太郎君
時々、私を見て歩幅を合わせてくれるし、車が来ると壁側に寄せてくれる。 結構いいヤツなんじゃん。 「ちょい遅くなったけど、親大丈夫? 怒られない?」 「ん…。大丈夫。うち親いないから…。」 「ごめ…。俺変な事聞いたな。」 ん…?何か勘違いしてるっぽい? 「中井君?もしかして、勘違いしてるとか?親、生きてるよ?ただパパがフランスに転勤になったからママも付いていっただけなんだけど?」 そう言うと爆笑し始めた。 「何だぁ。それでかぁ。俺、スゲー勘違いヤローだし。」 笑った顔が小さな子供みたいで、凄く可愛い。
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