となりの太郎君
もう、外は夕方。 夕焼け空が妙に寂しさを増大させる。今迄、学校が終わって家帰って外に出る、この夕方が好きだったのに、一人になった気がして、今は嫌い…。 下校途中の小学生達と擦れ違う時、一人の男の子とぶつかった。一瞬こっちを見たけど、すぐ行ってしまった。ぶつかった腕を摩りながら「謝れよ…。」 「ホント、鈍臭せぇーなぁ。」 「………………。」落とした私の財布を拾って呆れ顔で私を見るスーツ姿の荻野さんがいた。 「………何…で?」それ以外の言葉が出ない…。