わたくしの日々
非大食漢

 わたくしは小食である。

体が世の成人男性の平均より小さいので、当たり前のことだと思うのだが、見た目以上に物を食わない。

しかし、稀に阿呆みたいな量を出す飯屋に出くわしたりすることがある。
ご飯を沢山食べられることが幸せ、と信じて疑わない店主が経営しているのだろう。
どの卓を見ても少しずつ残っていたりする。

確か中国では食べきれない程の量の食事を出すことが最高の持て成しとされていると、聞いたことがあるので、店主は大陸の人なのかも知れない。

だが、だ。
我々世代は好き嫌いをしたり、食べ残したりすると市原悦子の声で、もったいないお化けに親子三代まとめて呪い殺されると洗脳された世代だ。
恐ろしくてご飯を残すなんてことは出来ないのである。

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