【短編】あたしとバカと自縛霊
どうする?


どうすればいい?


聞くまでもない。悩む必要もない。


答えなんて決まってるんだから。


也久を幽子さんに渡す気なんざこれっぽっちもない。


階段を、その奥に姿を隠す屋上へのドアを睨みつけた。


怯んでくれた様子は微塵も感じられやしなかったけどね。


あたしの両脚が跳ねる様に階段を駆け昇り、くすんだクリーム色したドアを押し開けた。
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