【短編】あたしとバカと自縛霊
「俺は今、幽子さんと大事な話をしてるんだ。お前は出ていけ」


「……けんな」


秋風があたしの髪を梳き、頬を撫でる。


あたしは声と心を爆発させた。


「ふざけんな!!


幽子だとか、幽霊だとかいるわけないだろバカ野郎!!


也久。夢見んのもいい加減にしろ!?」


叫びにも似た啖呵に也久の表情は厳しさを増す。


「幽霊に恋?ハッ。


頭でもおかしくなったのかよ!?」


「お前、それ以上言ってみろ。俺も怒るぞ?」
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