【短編】あたしとバカと自縛霊
也久が威圧を込め大股に近付いてきてあたしの二の腕を掴む。


流石に殴られるな。


そう覚悟して目を強く瞑って体を強ばらせた。


……。


…………。


………………。


……………………?


衝撃は来ない。


怪訝に思いながら、そっと目を開く。


眼前に映ったのは、また驚いた也久の顔。


なんでまたそんな顔してるの?


あたしの困惑が顔に出たのか、也久が呟く様に教えてくれた。


「お前、泣いてる」
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