【短編】あたしとバカと自縛霊
「……俺、やっぱりおかしいんだろうな」


あたしから目をそらすように空を仰ぐ。


「おかしいよ!?おかしいに決まってるだろ!?


わかってるなら何で!?」


「ごめん」


そして也久は目を閉じた。


話を終わらせる様に。


本能、って奴かな。あたしはわかっちゃったよ。


あたしの声は、也久に届かない。どんなに足掻いても、願っても、もう届かない。


諦観と達観の粗雑な理解。


それがわかった瞬間、またあたしは涙を流した。
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