【短編】あたしとバカと自縛霊
「よくわかったな」


少し驚きを内包した声と表情があたしに向けられる。


「俺さ、幽子を好きになった。


…………なんだよその顔?」


「は?」


ハッとする。慌てて自分の顔を触ってから、気づく。


「今あたしスッゴい引いてたよ」


「そうか。そうゆうのは自分の心ん中にしまっとけ」


つまらなそうに言い捨てる。


いや、でも、まさか幽子が恋慕の相手だとは……。


かなりショック。


あたしには男を見る目が備わってないのかなぁ。
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