【短編】あたしとバカと自縛霊
「……何なんだよ」


也久も困惑を隠さず、そこから湧いた苛立ちからか苛々しげに頭を一掻きする。


「いきなりキレられてもわかんねえよ」


静かに、怒気を孕んだ声音だった。


也久はあたしに背を向けて、屋上を後にした。


屋上にはあたしだけ。


あたしと明々白々とした後悔だけ、青空の下に残して。
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