俺様の飼い猫。
「考えすぎだから、まじで授業終わっちゃうよ。」

葵に言われて時計を見れば終業10分前。

「考えれば確かにそうじゃない?」

頼香に言われてゆっくりうなずく。

「けど、好きにはなんない!」

2人とも「なぜ」って顔で見てくる。

「だって、理想は理想だもん。理想通りだからって、好きになるとは限らない。」

そんなことをしゃべっているうちに、ベルが鳴って授業の終了を告げる。
実習室から次々と生徒が出て行く波に乗って、あたしたちも出る。

「今日の授業はこれで終わりか~。」
「そっか~、今日は特別授業か。」
「じゃあ、家来ない?」

帰り支度をしながら玄関でしゃべっていると、いきなりの頼香からの提案。
断る理由もないから、3人でお邪魔することにした。

頼香の家は、学校からちょっと離れたところにある。
そのせいか、毎日頼香が断らない限り送り迎えがつく。
お嬢様はうらやましい。
頼香の両親は2人ともとても若くてダンディーなパパと上品なママ。
もちろん、家はめちゃくちゃ大きくて綺麗。
頼香の部屋なんて、あたしのマンションの2部屋分だもんね。

しばらくすると、頼香の家の車が来て、乗り込む。
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