俺様の飼い猫。
素早くメールを打って、あたしはケータイを閉じた。
すると、2分もしないうちに返信が来た。

送信者:高杉葵
題名:Re:
本文:夜ごはんー?
   葵なら、オムライス作ってあげるかな★

「オムライスか…。」

ぶっちゃけ、オムライスはあんま得意じゃない。
でもまぁ、作ってみるか!

そう意気込んで、あたしは冷蔵庫にあった卵以外の買い物をした。
帰りがけに、雑貨屋さんが目にとまってしまって、思わず立ち寄ってしまった。

「あ、これヤバ…。」

そんなことを呟きながら見ているうちに、時間を忘れて見入ってしまっていた。
テナントを渡り歩き、時間を忘れてしまっていたらしく、気がつけば夕方になっていた。
慌ててショッピングモールを飛び出すと、鞄の中でケータイが鳴っているのに気付いた。

「もしもし…。」
「猫、あと1時間で帰るから、ちゃんと家で待っとけ。」

それだけ言って、電話は切れてしまった。

「だから、猫じゃないっつの…。」

そう呟きながら、急ぎ足でマンションに向かった。
マンションの目の前に来て、改めてすごい高級マンションだった。コンクリートのシンプルな造りで、いかにも御堂さんに合うデザイン。部屋の家具も黒系で統一されていたし、こーゆうインテリっぽいのが好きなのかも。
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