この想いを君に…3
無我夢中で走行を終えてベストタイムは2分13秒015。

パパは満足そうに頷いてくれた。

「むっちゃん、なかなかやるやん!」

光さんも褒めてくれる。

「早く俺を越えてみろ!」

祥太郎はそう言うけど

「それはさすがに無理かと」

あたしが言うと周りは笑っていた。



今からはピットウォーク。

あたしは慌ててレーシングスーツを脱いでチームのシャツに着替える。

そして、チームの前に設けられた椅子に座る。



光さんと祥太郎、あたしが並んで座って、ファンの人達が来たらサインや写真に応じる。



マシンの横ではパラソルを持って桜が涼しげな表情で立っていた。



こんな光景も。

来年はない。



そう思うとしっかりこの目に焼き付けよう、と色々考えながら見つめていた。
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