この想いを君に…3
光さんは午前、祥太郎が出した2分07秒280を上回る2分07秒153を出した。

ざわめく観客席。

ピットもそうだ。

左右のチームからどよめきが上がる。

ウチのチームは冷静そのもの。

パパの口元に笑みが浮かんだだけ。



同じチーム内でタイムが更新されている。



「じゃあ俺も頑張ろうかな〜!」

祥太郎は伸びをしてレーシングスーツに着替えに行った。



「凄いよね…」

知樹はピットに戻ってくる光さんを見つめて呟いた。

「もう、体力的にはピークを過ぎてるのに。
それでも祥ちゃんと互角だよ。
光さんを支えているのは精神的なものかもしれないけど」

あたしに視線を移してそう言った。
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