この想いを君に…3
レースはこのチームと祥太郎が去年所属していたチームが引っ張っている。

去年いたチームには北さん。

幸い、祥太郎とは走るタイミングが違うので良かったけど、もし同じ第2ライダーだったら北さんは祥太郎に徹底マークをされたに違いない。



「向かうところ敵なし、か」

光さんは次の走行を控えているので再びレーシングスーツに身を包むと真っすぐ前を向いた。

祥太郎がストレートを駆け抜ける。

それを見つめて光さんは

「あいつは天才だな…」

羨ましそうに呟く。

「何言ってるの!」

あたしは光さんを見つめた。

「光さんも祥太郎みたいに凄いよ!!」

その発言に光さんは嬉しそうに笑って

「ありがとう」

そしてあたしの頭を撫でた。
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