この想いを君に…3
「ふーん、光さん、そんな事を言ってたのか」

光さんとバトンタッチした祥太郎はプールに体を沈めて言った。

「俺からしたら光さんやそーちゃんの方がうんと努力家だし、才能もあるからいいお手本だよ」

あたしは話続ける祥太郎の頭に遠慮なく杓子で水を掛けまくった。

息がし辛そう。

その苦しんでいる顔がたまらなく…ツボに入る。



「…睦海ちゃん!」

ゲッ!『ちゃん』付けなんて気持ち悪い!!

そう思った瞬間、あたしは水の中だった。

「プールへようこそ!!」

周りからは失笑が聞こえる。



「祥太郎ー!!」

あたしはおもいっきり祥太郎に水をかけた。

「お前はSか〜!?
俺が苦しがるのを楽しんでただろ?」

「楽しい!」

「あー???」

祥太郎はあたしの首元を掴んで沈めようとしたけれど、逆に沈めてやった。
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