この想いを君に…3
少しずつ。

熱気が収まってきた。



西の空は完全にオレンジ色に染まり。

真夏の夕方。

空には、なんだか怪しい雲。



パラパラと雨が降り出す。



夕立だ!!



ピット内が慌ただしくなる。



「レインタイヤに替える必要はない」

パパは一部に真っ黒な雲が漂う空を見上げて言った。

「このまま、祥太郎の判断で」

「はい!」

ボード係の人はパパの指示に頷く。



「…止んでくれよ」

あたしの隣でパパは祈るように呟いていた。
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