この想いを君に…3
「睦海」

すべての予選が終わり、片付けをしてみんなで食事に行く途中。

祥太郎はあたしを呼び止めた。



「…お前、迷ってるだろ?」

祥太郎は少し複雑そうな顔をしている。

「今が居心地良すぎて出ていく事に迷ってる気がする」



あたしはきっと。

凄く寂しそうな顔をしていると思う。



「…自分が本当にこの世界で生きたいなら」

祥太郎の目が鋭くなった。

「そんな感情は早く捨てた方がいい。
目の前のチャンスはすぐに消えて無くなるから」
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