この想いを君に…3
「睦海が今の環境でいいなら…」

パパは立ち止まって振り返った。

全てを見透かすかのようなその目であたしを見つめる。

「別に世界に行かなくてもいいよ。
楽しく走れないなら行く意味もないしね」

パパはあっさりと言って退けた。

「基本は自分がいかに楽しむか、だよ?
俺は世界に行かなくても日本でずっと走り続けていても問題ないって思う」

パパはあたしをまっすぐ見ている。

「人も羨む才能があったとしても。
自分という個性を大切に、日本で頑張るのもそれはそれで良いことだと思う」
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