この想いを君に…3
「光さんも自己ベスト、出てる」

タイムを書き記した用紙を見つめながら言うと

「おお、俺もまだまだ走れるな」

と、軽口を叩けるくらい、精神的にも安定している事がわかる。



でも、二人とも。

目は鋭くて、怖かった。



予選1位。

明日はポールポジション。



明日のスタートライダーは祥太郎。

光さんの方が耐久レースは経験があるけど、スタートの練習も兼ねて祥太郎。



「本当に凄いよ」

パパは呟いた。

「たかが小さなバイク屋の、店員2人。
…確かに二人ともワークス経験者だけど、そんな二人がこのチームで走って。
この結果は凄すぎる」

俺が監督だなんて、勿体ない。

パパはそう言って息を吐いた。



興奮が抑えられないみたい。
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