この想いを君に…3
「なかなか言うねえ」

帰り、パパはどことなく嬉しそうに呟いた。



「…ごめん」

とにかく、謝る。

今、一番大変な時期なのに。

祥太郎や光さんより一足先に鈴鹿から帰ってきてくれた。

「…まあ、いいよ。
電話が掛かってきた時点である程度、終わってたし」

パパは手を差し出した。

あたしはその手を握る。



パパと手を繋ぐのはいつぶりだろう?



ものすごく安心出来る。



「祥太郎も心配してたよ。
自分が高校の時はそんな事はなかったのにって」



あの男子…。

名前は知らない…けど、本当にイライラするくらい、あたしに絡んでくる。

一体、何だろう?



「…睦海は」

パパは切なそうにあたしを見つめた。

「学校、好き?」
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