不良
法務局不動産部門は、コンピューター管理がされている。大阪市の場合は市役所において住居表示が行われている。○丁目○番○号と各家庭が役所に管理されているのだ。法務局は地番管理である。地番がわからないと、請求も出来ないのである。住居表示番号をメモしてきた春男が一人窓口で頑張っても、請求さえも不可能だった。
「地番て、はじめて知りましたわ。」「そうやろ、そやから人に使いを頼まれんのや。これをこのまま、大城君のメモの通りに請求してみいや、空振りになるとこやぞ。」「ほんまでんな。先生のいうとおりですわ。」春男はこのみすぼらしい老人を先生と思った。
二人はカウンター前のソファーに並んで座った。「どうや、みてみい。この所有者のところや。」春男は探偵の指のあるところをみた。そこには、理恵の文字があった。「よし、これからこの住所へ行くぞ。」探偵は立ち上がると、筆記台へ行き、手帳に転記した。
「食堂に寄って行くか。」探偵はそういうと、エレベーターに入り、春男を手招きした。「ちょっと早いけど、どうなるかわからんよって、腹ごしらえしとこか。」探偵は手慣れた感じで、受付のおばさんに札を渡すと、定食二人前を頼んだ。「セルフサービスやからな、お盆を持つのや。」探偵はカウンターにお盆を置き、春男に真似るように指示した。
「どうや、誰もおらんやろ。こんな時間に飯を食うのは、ちょっとしたエリート気分や。どうや、そう思わんか。」探偵はそういうと、お茶をグッと飲んで飯を食った。二人は法務局をでて、目的地に向かった。
地下鉄天満橋駅から谷町線で一つ目である。南森町駅でおりる。驚くほど長い商店街と天神様がある。「天神祭りをみたことあるか。」と探偵が歩きながらきいた。「テレビではありますけど。」「そうやろ、実際にはな、」探偵は黒い大きな門を指さした。「あれを入ると境内や。」「そうでっか。」春男は一歩踏み出そうとした。
「やめとき。今日はお参りの気分やない。おれにとっては仕事やからな。」と春男を牽制し、足を引き止めた。
「地番て、はじめて知りましたわ。」「そうやろ、そやから人に使いを頼まれんのや。これをこのまま、大城君のメモの通りに請求してみいや、空振りになるとこやぞ。」「ほんまでんな。先生のいうとおりですわ。」春男はこのみすぼらしい老人を先生と思った。
二人はカウンター前のソファーに並んで座った。「どうや、みてみい。この所有者のところや。」春男は探偵の指のあるところをみた。そこには、理恵の文字があった。「よし、これからこの住所へ行くぞ。」探偵は立ち上がると、筆記台へ行き、手帳に転記した。
「食堂に寄って行くか。」探偵はそういうと、エレベーターに入り、春男を手招きした。「ちょっと早いけど、どうなるかわからんよって、腹ごしらえしとこか。」探偵は手慣れた感じで、受付のおばさんに札を渡すと、定食二人前を頼んだ。「セルフサービスやからな、お盆を持つのや。」探偵はカウンターにお盆を置き、春男に真似るように指示した。
「どうや、誰もおらんやろ。こんな時間に飯を食うのは、ちょっとしたエリート気分や。どうや、そう思わんか。」探偵はそういうと、お茶をグッと飲んで飯を食った。二人は法務局をでて、目的地に向かった。
地下鉄天満橋駅から谷町線で一つ目である。南森町駅でおりる。驚くほど長い商店街と天神様がある。「天神祭りをみたことあるか。」と探偵が歩きながらきいた。「テレビではありますけど。」「そうやろ、実際にはな、」探偵は黒い大きな門を指さした。「あれを入ると境内や。」「そうでっか。」春男は一歩踏み出そうとした。
「やめとき。今日はお参りの気分やない。おれにとっては仕事やからな。」と春男を牽制し、足を引き止めた。