素直になれない馬鹿女
『短い方が絶対いいよ』
って美容師さんと同じことを言った。
ばか犬の真っ白なTシャツは肩の部分が血で染まっていた。
近くには、今まで貼ってあったであろう血の付いたガーゼが、剥がされて机の上に置かれていた。
『頭にヒビが入ってるかもしれんから今日は入院しろって…
でも、わいは病院の不味い飯もコンビニ弁当も食べたくなかったけん
アイタンとこ帰ろうと、脱走計画を練ってたところ』
そして新しいタバコに、また火をつけた。
『しかし来てくれると思わんかったけん嬉しいわ
何で、この病院ってわかったん?わい言うてなかったろ?
わい…愛されとんじゃなぁ』
ばか犬の笑った声が病室にひろがって
そして、また静かな病室に戻った