素直になれない馬鹿女




安心したのか


私は泣いてた。



『……心配した』



自分でも声が震えてるのが分かって

涙を必死におさえようとしたけど

無駄な抵抗だった。




『…また、5月31日に大切な人を失うと思った。居なくなるとこだった…

心配するんじゃなかった…

だって、こんなにも元気だなんて思わなかった…

ばか犬は…本当に馬鹿だ!』





痛くなるほど握りしめた自分の拳を

大きな手が優しく包み込んだ。



『……話してくれる?』






彼の優しい声と掌は

私の心を紐解いて

全てを楽にしてくれた…




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